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新卒看護師を真の動物看護師にしていく仕組み

布村順一:株式会社JPR 取締役(獣医師)
大学卒業後、個人病院・イオンペットを経て株式会社JPRへ。2006年より15年間人材採用に従事し、月約100名の獣医師・動物看護師・トリマー・総合職との面談、面接を実施。年間約600名の獣医学生と交流を深める他、大学での特別講師も務める。

面接で見るポイントは、看護の知識ではなく人間性や対話力

生田目 今は昔に比べて検索をすれば、面接での答え方やポイント等、攻略法がたくさん出てきます。布村さんはこれまで数えきれないほどの面接をされていると思いますが、新卒動物看護師の採用において、どのようなところを選考のポイントとしていますか?
布村 選考ポイントとしては、「面接に来た人がプリモの一員として働くイメージができるか」です。先日、新卒1・2年目のプリモ動物看護師と当時の採用面接について話す機会がありました。
そのスタッフ達から「プリモの面接では、学校で学んだ動物看護の知識を答える質問が一つもなかったことが印象的だった」と話をされました。他の動物病院では、何を理解しているかという観点で動物看護の知識について質問されることが多いようですが、私は、面接時に動物看護の知識を聞くことは重要視していません。
皆がしっかりと勉強をしていて、だからこそ卒業できるということもわかっていますので。
むしろ、私がポイントとしているのは、人間性や対話力の部分です。動物病院は医療技術を提供する場でもありますが、飼い主様の不安を取り除いてケアする場でもあると考えています。同じ動物看護師でも、飼い主様と話をする時にきちっと受け止めて対話をしてくれる、そんな動物看護師が求められているのではないでしょうか。
プリモの一員になった時に、スタッフや飼い主様に対してどのような対話の仕方をして、どのようにコミュニケーションをとるのか、プリモの動物看護師として必要な対応力や、持っている雰囲気を見るようにしています。
選考のポイントとしては、3つです。

・第一印象(雰囲気や清潔感)
・会話のリズムや返し方
・質問の意図をくみ取った返答

なぜ、この3つなのか。これは飼い主様が不安を抱えて動物病院に来院した際に、どう感じるかをイメージしたものです。技術や知識の前に、飼い主様に寄り添った医療の提供が出来るかという観点を大切にしています。そのため、面接ではなるべく緊張がほぐれるように、面接というよりは面談に近い形でたくさんの対話をするようにしています。

多くの同期や先輩、縦と横のつながりが豊富なところはプリモの特長のひとつ

生田目 面接の短い時間だけでは、その人の『人となり』を見るのは難しいですからね。緊張して普段の自分とは違うという方も多いのではないでしょうか。
たくさんの学生を見てきている布村さんだからこそ、ブレない軸で良い採用に繋がっていると思っています。
採用後は、何か特別な育成方法をしていますか?
布村 はい、プリモだからこそできる育成方法があると思っています。
例えば、技術や社会人スキルなどは、年間を通してOJTやOff-JT・技術研修など難易度を設定しながら行い、プリモの動物看護師として確実に技術と人間力を身につけることができます。
社会に出るということは学校での授業と違い、実践です。イレギュラーな場面も多々あるでしょう。「社会人として」「動物看護師として」より良い医療の提供ができるように育成方法を考えています。
それは技術だけでなく対話や対応、どこをとっても「近所のやさしい獣医さん」として愛される動物病院のスタッフの一員として、育ってもらいたいと思っています。
また、同期も多いため、互いに切磋琢磨しながら伸ばしていくことができるのも良い部分だと思っています。入社して1年が終わる頃には大幅な成長を感じられると同時に自信も芽生えてくるでしょう。そして、プリモのスタッフが皆そのスキルを持つことで、同期や先輩が互いに助け合い、支え合う良い関係が作れます。そんな縦と横のつながりが豊富なのもプリモの特長です。そして研修を通して看護技術だけでなく、後輩への配慮、飼い主様・ペットはもちろんのこと、病院スタッフ全員への接遇など、様々な角度で成長への道を創るようにしています。
具体的には、3~4年目の獣医師と同等の信頼やお付き合いが飼い主様とできること、それが『プリモの動物看護師像』ですね。
時代の変化に合わせて育成方法も常にアップデートし、新しい方法を取り入れながら進化をやめないプリモの育成は、大きな財産だと思っています。
生田目 育成に力を入れていることがよく伝わりました。いつまでも古い考え方に固執していては、良い育成はできませんからね。
研修以外では、何か工夫されていることはありますか?
布村 他には、新卒1年目から3年目までの動物看護師を対象に年間を通してフォローアップ面談プログラムを実施しています。
一人ひとりからその時点での悩みや希望、現在の成長度合いを聞きケアを行いながら、看護業務に集中できる環境とモチベーションのサポートを行なっています。面談では様々な話がでますが、皆一様に周りのスタッフの良さや楽しさを話してくれます。
もちろん、新しいことを覚える大変さや苦労している部分、悩んでいることも話してくれますが、希望に満ち溢れているなといつも嬉しく感じています。人は十人十色で成長速度も違えば、考え方・感じ方もそれぞれです。
プリモではスタッフ一人ひとりの成長を考えた育成を行い、また、共に成長していくことで飼い主様・ペットの幸せに寄り添える動物看護師として育ってもらいたいと思っています。

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